ズールとの思い出

小学校の同級生にズールというあだ名の奴がいた。いつも食物を食うときズルズル音をさせた事からついたあだ名だ。ある日私とズールとNという友人が捨て犬を拾い、海岸で茶摘みをしていると突然老婆がNにタックルを仕掛けて来.Nは避けられずにまともに喰らい、めんつゆみたいな血をごべごべ吐いて持っていた茶葉が砂浜に落ちて老婆はニヤリ、ブラジャーの隙間に茶葉を詰め込んで墨汁みたいな空の下を洗面所に向かって翔けてった。ズールはNの返り血をちょっと浴びてちょっと嫌そうな顔をしてたけどすぐ雨にながされていつもみたいにかき揚げみたいな笑顔で笑っていたっけ。拾った犬は今も元気で名前はコーラ・フロートです。ですがやっぱり齢のせいか食事がゆっくりしています。ズールは元気にやってますか?今の僕はちょうどアイロン台の下の溶けかけた飴みたいな塩梅ですがまたいつかみたいに布団を燃やしましょう。Nとは中学もいっしょだったけどなんだかあいつはココアで練った積み木みたいだ。爪先の凍った羊より。