2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

できそこない文学賞

さて、過去三回に渡ってくだくだ語られたシリーズ『サメに〜/うがい/死因』がこのたび栄えない、そもそも、ない文学賞『第一回できそこない文学賞』優秀賞を受賞した。今、した。この賞は作家本人兼選考委員が完全なる独断によって授与し、授与される、狂言…

死因

私のデスクに置かれた報告書に二件の異なった死亡通知がある。両件とも共通して二度寝直後に死んでいる。「またか…」報告書に軽く目を通し近ごろ多発している『自分転位死』だと悟った。自分転位は似通った状況に置かれた別の平行宇宙の自分と突然入れ替わる…

うがい

この季節、家に帰ってまっ先にすることといえば、うがいだ。それで、した。うがい薬を使ってした。しかし俺はうっかりうがい薬を飲み込んでしまった。むせてむせて、失神した。数分して失神から目覚めると、途中だったことを思い出し再びうがいした。うがい…

サメに食われて死ぬ

的中率百%絶対確実に当たる占い師に「お前は一週間以内にサメに食われて死ぬ」と予言された。そんな馬鹿なと思いつつ俺は内心すごくビビっていた。サメに食われないにはサメがいない場所に居ればいい。だから海には絶対に行かないし大事をとって川にも近づ…

メモ

淡水魚が海水で死んでしまうのと同様に、焼酎魚はワインで死んでしまう。

メモ

熱帯魚が冷水で死んでしまうのと同様に、ビールフィッシュはホッピーで死んでしまう。

メモ

紅茶フィッシュはレモネードで死んでしまう。

メモ

ラムネフィッシュはビー玉を抜くと死んでしまう。

ダニイとティミイ

「おいティミイ、スペース・フィッシュの弱点がわかったぜ」「ダニイ、そりゃなんだい?」「大気、さ」「おっおいおいダニイ!今日のお前はどうかしてるんじゃないのか!?まっまさかそんな!」「その、まさか、さ」

メモ

スープカレーフィッシュ・カレーは、厳密にはシーフードカレーではない。似て非なり。

メモ

スープカレーは人類に退廃を招く。

メモ

スープカレーは地獄の残り湯。

ダニイとティミイ2(完結)

「おいダニイ、このしゃぱしゃぱの濁った液体はなんだい?」「スープ・カレーさ」「こっこれがカレーだって!?おいおいダニイ!まさかこいつが今日の晩飯ってわけじゃ…」「その、まさか、さ」

今年の一句

乾燥春雨に火をつけると線香花火みたいになります。ためしてみよう!風流なので一句詠みます。 春雨や 夏の名残か 秋の夜 《評》季語が多くてなんだか豪華です。

逆光ヶ岳・逆光

ついに私は、一年の内わずか数分の間しか逆光にならないという伝説八ヶ岳の一山、逆光ヶ岳の逆光現象の撮影に成功した!

次の毒を中和する

男の子と女の子の会話。「豚の血と砕いた内臓は用意したか」「したわ」「じゃあそれに砂糖と薄力粉をまぜろ」「混ぜたわ」「お前のポケットにカラー粘土が入っているだろう。それも入れろ」「ぜ、全色?」「黄緑とピンクと水色だ」「(ホッ…オレンジと黄色は…

バナナとコアラの40億年戦争

その惑星は、沈黙が支配していた。物音もなく、風もなく、沈黙だけがあった。いまバナナとコアラは冷戦状態にあった。お互いむっつり黙りこみ、じっと佇み、沈思黙考していた。考える内容は、たいていお天気のことだ。この惑星は27の恒星に囲まれていた。し…

堕ちたチャーリイ

チャーリイは、夜の街を、あてどもなく、徘徊した。縛りのない自由に惚け、目的である、敵糞ウォンクの破壊をも、忘れていた。そこには、かつての『秀ドッグ』の面影は、塵ほどもなかった。そして、チャーリイは、激しい餓えを、感じていた。チャーリイは、…

蟹と夢

便所に蟹がいた。便器の中に。でっかい蟹が。生きている。小便がしたかったので、した。蟹にあたって飛沫く尿。水は流さず。翌日。昨日の尿が浄化されている。蟹の仕業だ!うんこはどうだろう?論より証拠で排便。蟹、くそまみれ。翌日。うんこ健在。蟹、力…

うんこ騒動とその波紋4

秀犬・チャーリイは、深く恥じていた。犬だって、時には恥じる。大勢の人間の前で、不様な醜態を晒してしまった己を、あれからずっと恥じていた。かつて『秀犬コンテスト』各賞を総なめにし、四年連続、最優秀ドッグに輝いた、誇り高き、あの、チャーリイが―…

ズールと中断の宴

クルーザー購入記念に私と随龍(ズール)は私の自宅で酒を呑んだ。するとほろ酔いの随龍がおもむろに灰皿を手に取り「この灰皿には10億万の価値がある!」と言いだした。私「その話は、本当かい?」随龍「近くに、コンビニがあると便利だ」灰皿の質問は無視さ…

だいたい死んでいる

いま道の真ん中で手を振る人物メロンの前方数メートルを、赤錆たスポーツカーはのろのろと前進していた。そこで人物メロンは驚愕の叫びを発した。「め…!?」そして轢かれた。のろのろと。そして死んだ。即死。リカーンは衝撃を感じたが、そのまま前進した。隣…

うんこ騒動とその波紋3

バカ博士「んぐう!?こっここはどごだ!?まっくらでねか!」バカ助手「はぎい!?なんつーくらさだ!な、なんつーくらさ!」博士「これぞしんなるやみぞ!いってえなにごとぞ!?」謎の声〔どうやら目を覚ましたようですね〕助手「はお!だりだおめは!どごにいん…

リカーンとケディネー2

リカーンは相変わらず隣にガールフレンドのアメリカを乗せ、制限速度をきっちり守ってドライブを続けていた。後部座席の蔭に、命を狙うケディネーが潜んでいるとも知らずに!しかし当時は真っ赤だった自慢のスポーツカーも、今や風雨による腐食、傷ヘコミに…

ポーニイと妹

ポーニイはあてもなく旅を続けていた。そしと会う人すべてに道を訊ねたが、その答えとは逆方向を歩んだ。実に反骨精神旺盛な女の子だ。しかしこの時になってポーニイは己の反骨精神を悔やんだ。数か月前に旅立った故郷、断崖村へ戻ってしまったのだ。「あら…

メロンのメロン紀行

メロン(人物)が旅立った目的は世界各地のレア・メロンを網羅し、交配させ、新種のメロン(果実)を創造することである。その手始めに向かったのが断崖村の断崖メロンだった。しかしメロン(人物)は道に迷い迷い迷い、地図も風に飛ばされ、方位磁石もどこかへ落…

鍋と蓋の話

今回の話は書くべきか否か迷い迷った末、書く決心をつけた。これは実際にあった話だ。 鍋を買った。なべ。直径18センチ深さ8センチの片手用取っ手のついたやつ。内面はフッ素樹脂加工。ガラス張りのフタも付いてる。このサイズは一人暮しで自炊する人はたい…

うんこ騒動とその波紋2

住民を狂乱させた一塊の汚物、もというんこは、警察を経て、科学研究所に運ばれた…。バカ博士「こ、こりはなんともりっぱなくそじゃ!」バカ助手「ケンク(研究)の価値がありそうですな」博士「まずはにおいをかいでみっぞ!くんくん!うっはあくせえ!」助手…

うんこ騒動とその波紋

平凡かつ晴天のとある早朝。一人の主婦が愛犬チャーリイの散歩がてらジョギングをしていると、住宅街を通る車道の中央に、見慣れぬ物体を発見した。主婦は首に巻いたタオルで汗を拭い、眼鏡を左手中指でゆっくり押し上げると、再び道の中央に置かれた物体を…