2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

本年度最高傑作(初出2/11)

▽なんもねーところから生まれ姫 「お前も今年で16歳。よってうちあけるが、お前はなんもねーところから生まれた」 「父上!いったいどういうことです!」 「知らん!お前はなんもねーところから生まれた。なんもねーところからだ。なんもねー、ほんとなんも…

●11

◆白痴 ◎坂口安吾/新潮文庫 253 白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自…

●10

■あ・うん(1981) ◎向田邦子/文春文庫 216 つましい月給暮らしの水田仙吉と軍需景気で羽振りのいい中小企業の社長門倉修造との間の友情は、まるで神社の鳥居に並んだ一対の狛犬阿、吽のように親密なものであった。太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友…

●9

■ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編/第2部 予言する鳥編/第3部 鳥刺し男編 ◎村上春樹/新潮文庫 312・361・509 「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっとも…

M‐1の話(後)

うほっ!当たった! 【2位、3位用コメント】惜しい!惜っしい!惜っしぃぃぃ!!ぼっしぃ。ぼっしぃ(エロ漫画家)。というわけで正解は「ぼっしぃ」でした。それ以外の皆さんは全員ボッシ(ぃ)ュートなんちて。ぎゃはっ!!ぼっしぃ。それでは、よいお年を。

M‐1の話(前)

臆測だけど、今年のM‐1はパンクブーブーが優勝する気がする。明日に続く。

●8

■都市と星(1956) ◎アーサー・C・クラーク(訳)山高昭/ハヤカワ文庫SF 353 銀河帝国は崩壊し、地球には唯一の都市ダイアスパーが残された。そこは快適に防備された小宇宙。十億年の歳月の間に、都市の『記憶バンク』は人間の組成のパターンを使って原初の人間…

●7

◆SFカーニバル(1953,1957) ◎(編)フレドリック・ブラウン&マック・レナルズ(訳)小西宏/創元推理文庫SF 285 鬼才フレドリック・ブラウンが、今まで他のいかなる選集にも収録されたことのないSF短編の傑作中の傑作を編纂した名アンソロジー。地球侵略、タイム・…

●6

▲文学部唯野教授のサブ・テキスト(1990) ◎筒井康隆/文春文庫 202 大学をパロディ化した大ベストセラー作品「文学部唯野教授」のサブ・テキスト。マンモス大学の名物教授が100の質問に答えて、教授の知られざる素顔を披露。裏話、エピソードを満載して、小説…

●5

■順列都市[上・下](1994) ◎グレッグ・イーガン(訳)山岸真/ハヤカワ文庫SF 282・285 記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎ…

●4

◆木星買います(1975,1950〜1973) ◎アイザック・アシモフ(訳)山高昭/ハヤカワ文庫SF 365 銀河の彼方から地球を訪れた人類よりはるかに高度な異星人は、珍妙な取引きを申しでた。太陽系最大の惑星、木星を“買いたい”というのだ。はたして異星人の真意は?――表…

●3

◆クローム襲撃(1986) ◎ウィリアム・ギブスン(訳)浅倉久志・他/ハヤカワ文庫SF 334 世界のコンピュータ・ネットワークが作る情報宇宙、電脳空間。おれたちは神経をデッキにつなぎ、この空間に直接侵入するスーパーハッカーだ。つぎのターゲットはクローム。暗…

●2

■無限記憶(2007) ◎ロバート・チャールズ・ウィルスン(訳)茂木健/創元SF文庫 484 40億年におよぶ地球の時間封鎖を解くと同時に、謎の超越存在“仮定体”は巨大なアーチを出現させた。それをくぐった先は、未知の惑星“新世界”。人類がこの星と自在に行き来をはじ…

●12月読書‐1

■文学部唯野教授(1990) ◎筒井康隆/岩波書店 304 【帯より】究極のパロディか 抱腹絶倒のメタ・フィクションか 我らが若き主人公・唯野仁、彼は早治大学英米文学科の名物教授にして、実は隠れて小説を発表している新進作家、何やら不穏な幕開きである。 「大…