2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

煌めく生命の軽い骨壺

なんだか全身痛いので病院へ行った。医者「あなたは癌です。あなたの体重が60キロで、うち58.5キロが癌です。内臓、血液、骨はもちろん爪、髪、糞尿に至るまで癌です」私「ほぼ丸々癌じゃねえか!じゃあ残り1.5キロはなんだ!どの部位だ!」医者「そう興奮し…

犬マウスの悲哀

犬マウスは、犬であり、鼠であった。よって犬マウス。サイズは大きめの鼠。嗅覚が鋭い。スピードは犬。そんな犬マウス、いつものように軒先のゴミ溜めを漁っていると、なにやら見慣れぬ物体が。訝しみながらも犬マウス、その物体をくわえます。なんだか重た…

犬マウスの悲哀

この作品のメタファーが『生への問い掛け』であることは想像するに容易いだろう。冒頭に述べられる犬マウスのキャラクター、最後までお読みになった方にはお分りだろうが、この作品のなかで犬マウスのキャラクターが活きることはなく、犬である必然性も鼠で…

ハッピークリスマス

私の住む地域には、79年に一度しかクリスマスが訪れない。だが私はクリスマスを経験している。2才の時だ。よって記憶は唯一ひとつしかないが、話によれば、それは盛大な、かくも盛大な行事だったと聞く。樹齢400年の御神木を切り倒し薪とし、それ以外の森も…

蒲鉾(サンタの顔面)

クリスマスが近づいて俺が真っ先に思い出すのはかまぼこだ。かまぼこ。数年前のクリスマス前後、俺がスーパーで品出しのバイトをやっていたころの話。クリスマス商戦でにわかに活気づく店内にひっそりと置かれた便乗商品があったそれがかまぼこだ。かまぼこ…

蛮族養成所

蛮族になりたいという志を胸に抱く若者は、悲しむべきかな年々減少傾向にある。かつては全国各地に存在した蛮族養成所も現在では五指で数えられるまでになってしまった。しかし養成所には毎年すくないながらも将来の蛮族を夢見る蛮族の卵たちがその門戸をた…

余熱

風邪を治すには尿道に太めのカテーテルを通し、そこへ刻んだネギや焼酎を流し込むと良いそうな。そこで風邪はひいてはいなが試してみる事にした。カテーテルを通したまではよかったが、うっかり私は昨晩の鍋の残り汁を流し込んでしまった。「あぐっ!」苦痛…

あたまのくるった駐在さん

およそ説明の必要はないと思うが、なかには必要とする人がいないとも限らないので、説明する。あたまのくるった駐在さんは、あたまがくるっていた。つまり、駐在さんの頭は狂っている、という事だ。そんな駐在さんは今、自分が交番だと思っている建物の、入…

暖炉4

「遅れた…」そう呟くと男は、チェアーから身を起こし、アルフレッド・ベスター著『願い星、叶い星』を暖炉に放った。タイトルは違えども、この本の表題作は早川書房〈SFマガジン・ベスト〉『冷たい方程式』収録「祈り」と同一である。男はそれに気付かず、読…

3分ちょっと

テーブルを布巾で水拭きして、その布巾を流しで軽く洗ってしぼる。口をゆすいで少し水を飲む。タオルで手を拭く。床に落ちてるごみを拾ってごみ箱に入れる。窓を閉めて施錠してカーテンを引く。ポケットに財布を入れる。靴を履いて外に出る。ドアに鍵をかけ…

缶詰

友人に缶詰を開封せずに中身を食べるという奴がいる。ならやってみろ、というわけで快晴の公園にて『缶詰あけずに食う』実験が行われた。時刻は午前10時。その友人の前に三つの開封してない缶詰が並べられる。順に『シーチキン』『コーン』『茹であずき』。…

●十一月は無慈悲な夜の読書

■=長編◆=短編集 ◎フィリップ・K・ディック■流れよわが涙、と警官は言った■いたずらの問題■スキャナー・ダークリー■ジョーンズの世界■去年を待ちながら◆シビュラの目■高い城の男(再読)◎ジェイムズ・P・ホーガン■時間泥棒■星を継ぐもの◎エドモンド・ハミルト…