2010-01-01から1年間の記事一覧

ごぼごぼやるやつ

水槽のなかでぐったりしている少しでかい金魚を見て「やっぱごぼごぼやるやつねぇとだめだなー、ごぼごぼ空気おくるやつねぇとなー」と思う小学生の俺。どうしようどうしようとりあえずストローで空気おくってみるかどうしようかと考えながら浮きかけの金魚…

マッタケの話

国産の松茸を買うぐらいなら、同じ料金を払って、うんざりするぐらいのエリンギとシメジを買いたい。最高に勃起したぐれえの硬さの松茸があるとすれば、それは買ってみたい。熱々なのを「硬って硬ってぇ」と言いながら食う。チンポが国産松茸と同じ値段で売…

居酒屋で「俺はもうすっかり酒呑みなんだぜ」って感じでたこわさを注文するときの大学生の顔

禁煙の話

しません。タバコ屋の店先に筒井康隆『最後の喫煙者』を。

やってみ、の話

そば焼酎をジンジャーエールで割ると梅酒みたいな味になる。

死んだ亀の話

思い出すたびにわからなくなる過去の話がある。幼稚園にはいる前、両親が共働きだったので日中は祖父母の家で過ごしていた。午前中は至近距離で教育テレビを見ていた。毎日だ。俺の目が悪い一因はここにあると思う。当時の俺はテレビにチャンネルがあるとも…

TGCに地蔵を

東京ガールズコレクションのモデル花道に地蔵をモデル花道の行き着く先に地蔵をモデルと対面する向きに地蔵を地蔵に対面したモデルは一拍一礼をそれにあわせて会場のお客さんも一礼をTGCに一瞬の厳粛な沈黙をTGCに地蔵をTGCに地蔵を

死ぬ前にやりたい話

死ぬ前に一度だけやってみたいことは、本屋もしくは図書館の本棚の前で熱心に立ち読みしてる人に「俺はあんたの立ってる前にある本棚に興味があって上から順にじっくり見てえ、そして気になった本を手に取ってぱらぱらめくったり解説を読んで吟味してえ。だ…

歩調殺法

下ばかり見ながら甲州街道を歩いていると気付かぬ間に背後から見知らぬ男が忍び寄り、私と並んで歩行している。男を見ることもなくじっと目線を歩道にやったまま歩き続けると突如として男は小声で「てく…てく…」とつぶやく。なんだこいつはと思うが男のてく…

狭路殺法

人ひとりがどうにか歩ける通路のエロビデオ屋で作品を吟味していると、私から2mばかり離れた場所に巨躯の男がやはり作品を吟味している。私自身、吟味に熱中するあまり気づかなかったが男の反対側通路を見れば、なんとやはり2mばかり離れた位置に先述の男…

烏賊の話

イカは過小評価されている。と昔から俺は思っている。イカは、うめえ。イカは大量に獲れるがゆえ安価。ウニは大量に獲れないし食う部分が少ないから高価。カニは実質くえる部分すくないのにKg単価で売るのは卑怯。『魚介類殻骨比数』を決めて割って売れよと…

くだらねえ話

茨城県大洗(オオアライ)を訪れた観光客は決まって同じ駄洒落を言う。 「大洗 or Die!」 それで中笑いする。 閑話休題。人は時として思いついちゃったくだらねえ駄洒落をいいたくなるものだ。 「出川さん最近どのような漫画をお読みになられましたか?」 「YA…

うんこと温度の話

クソ暑い日が続きますが文字通りクソ暑い。そもそもクソは体内にあって体温とほとんど温度差はない(と思われる、検証の必要がある)わけで、ひりたてのクソはだいたい36〜37℃と考えられる。日中の気温もだいたいそんぐらいなのでつまり糞温≒気温であって言い…

電子書籍の話

今後ほとんどの本が電子書籍になるのはいいが我慢して最後まで読んだクソみてえ本を奇声発しながら床に叩きつけられなくなると思うと少し寂しくなる。

サッカーのルールの話

俺はサッカーを見るたびに思う。キーパーなくせばもっと得点ばすばす決まって盛り上がんじゃねえの?バスケみたいに。あとPKってシステムはひどいよ。なんで一騎打ちなんだよそれまでのチームプレイは何だったんだよ。ゲームに興味はないがルールは気になる。

フォアグラ

1400円のフォアグラ7弁当を買った。中身は白飯とフォアグラ、その隣にホワグラその隣にヲワ゛グラその隣にヴォアヴアその隣にヲ゛アヴワその隣にオダクラその隣にファオグラが入っている。実際には真ん中にひとつとそれを囲むように六つ入っている。見た目…

名文紀行50

ああ、あの夏はなんと楽しかったこと!波打ち際で酒盛りしたり、酔いどれ藻をかっくらいながら酒場をハシゴしたり、潮だまりで水浴びしたり。海底を這いまわったり。ほかの蟹グループと喧嘩したり。 雌蟹を追いかけたり! ――バリントン・J・ベイリー(訳・中…

名文紀行49

アキレスが亀に、光速とは何かを説明している。光速っていうのは光の速度だ。亀は一つ頷いて、速度っていうのは何かと問う。速度っていうのは、距離を時間で割ったものだ。亀はゆっくり頷いて、距離っていうのは何かと問う。距離っていうのは、物差しを添え…

名文紀行48

●83:箱一杯に集めた銀河帝国の脱け殻を家人に捨てられた恨みは一生忘れない。 ●後藤さんが粒子であるという証拠としては、光後藤さん効果が知られている。後藤さんに光を照射し続けると、新たな後藤さんを発することは実験により確かめられている。ある一定…

名文紀行47

●人間はすべてをまずかたちとして認識する。かたちとはなんだろう――輪郭だ。輪郭とはなんだろう――境界だ。境界とは――事物が接し、せめぎ合う界面。そこには必ずちからが介在する。いままで見すごしていた平凡な部屋の、あらゆる輪郭、明暗、色彩にちからが宿…

名文紀行46

●いいか、ピートがやってきたら、お天道さまの当たらねえとこへこの護符を突っこんでやるからな。 ●たとえナイフを使ったとしても、鏡を見ながら自分の背中を刺そうとするのは、危険なほど確実性に欠ける方法だ。 ●「そうだろうか」とピーターはいった。「そ…

名文紀行45

●疑問符が導火線に変わった。そいつの火の行き先は、どうやら、おれ。 ●心臓が五つ六つ、まとめて打った。 ●おれは昨日のコーヒーを、わかしなおして、胃の中に送り込んだ。今の気分とそっくりの味がした。熱いだけが取り柄だ。 ●皿のステーキに胃の中のもの…

名文紀行44

●「僕には、その子が失った世界のほうが惜しいな。人とつき合うことで壊れてしまった世界が、確かにあったはずなんだ」 ●「でも、ただの虚構だ!」 「人間には、ときとして真実よりも虚構のほうが必要なときがある」 ●僕は小鳥の墓――。 想像すると楽しかった…

紳士

駅までの道を歩きながら、味のなくなったガムを捨てようと口から出したがガムを包む紙がない。すると前方にひとりのゼントルマンが。 「どうも、お困りの様ですね」 「は、はいぃ…」とメガネっ娘の私。 「そのガムを、私にお渡しください」 「は、はいぃ…」…

名文紀行43

●「ゲロってどうしていつもこんなひどい味がするの?」 「ふざけてそこらじゅう吐きまくったりしないようにさ。まだやる気かい?」 「やらないよ」ティリーは顔をしかめながら言った。 「じゃあパパは着替えてくる。それにしてもいったい何食べたんだ?」 「…

名文紀行42

●「これはぼくの回避療法に反している」 「回避療法?」 「どんな犠牲を払っても、病院を避けることだ」 ●待合室の長椅子で眠りこんで、吉報がもたらされる夢を見ているうちに、願望充足ファンタジイのメッキが剥げて嘲笑的な悪意ある笑劇に変わっていき、滑…

名文紀行41

●「あんたは、誰? いったい何なの?」 「わたしは、国立国会図書館つくば館です」 ●「我々の社会には、繰り言は、墓穴に入ってから蛆に聞かせろという諺があります」 ●蛇足かもしれないが、最後に、全人学級の壁に貼られていた標語を、ここに記しておきたい…

名文紀行40

●昔カバン持ちをしている頃、僕の師匠の三遊亭楽太郎が「俺さ、ステーキとか食っても贅沢してるって充実感は湧かないんだけど、吉野家の牛丼の大盛りに玉子乗せて、その上に牛皿の大盛り乗せると『罰当たりなくらい贅沢してる』って思うんだよね。1000円くら…

名文紀行39

●「氷結車が氷なことに目づまりしやがったんだ/めぐまれた冷血野郎どもは別にして。おれたちは木材燃焼式にトラックを改造した――おかげでボイラーの下で凍るほど盛大に火を燃やさにゃならんから、薪を放りこみつづけるのを忘れちゃいけない。おれたちはな、…

名文紀行37

●「現在」とは自分のことです。 ● わたしは、あるところで、小説について、なにかをいおうとするなら、「全文」を引用しなければならない、と書きました。 /ひとつの小説は、まさに、全体でひとつの作品であり、それを論じるなら、そのすべてを、相手に示す…