●5

順列都市[上・下](1994)
グレッグ・イーガン(訳)山岸真/ハヤカワ文庫SF 282・285
記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、<コピー>になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。その<コピー>たちに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われた……電脳空間の驚異と無限の可能性を描く、キャンベル記念賞、ディトマー賞受賞作。
ソフトウェア・デザイナーのマリア・デルカは、思いもよらぬ申し出を受けた。天才的人工生命研究者ランバートが考えだした人工宇宙――オートヴァース内に、ひとつの惑星全体と、さらには高い知性をもつ生命体に進化する原始有機体を設計してくれというのだ。だが、地球にあるすべてのコンピュータの計算能力をあわせても、走らせることさえできないプログラムを作る目的とは……?90年代最高の作家イーガンの話題作。