バカになった話

QFWFQ2013-08-16

バカになっちまったよバカになっちまった!オラの台所のシンク上にある豆灯がバカに!ヒモを引けども引けどもスイッチが切り替わらず灯りっ放しなんだよ!灯りっ放しなんだよおっ母さん!いや豆灯は悪くねえスケープゴートもはなはだしい!ましてやヒモはその職務を全うしているのみ。バカになったのは表からは見えないカラクリ内部のスイッチャーだ!長年の疲労の蓄積から善スイッチャーから悪スイッチャーへと堕ちたスイッチャー。己の転換期を誤り蛍光灯を光らせるでもなく暗いままでもなく豆灯を小うるさく光らせたまま絶命したスイッチャー。いわば被害者であり功労者であり志し半ばに殉職したと取れなくはない。だが傲慢な人間は一言バカんなっちゃった、とねぎらい言葉のひとつもなし。俺もそんな傲慢な人間である。
ヒモを引く以外に消灯は不可、ゆえに完全。
シンプルにして絶対の掟、ゆえに完全。
ただ不敵に輝く豆灯に俺為すすべなし。
ヒモ引いても音沙汰なし。
蛍光灯も所在なし。
常に豆灯つきっ放し。
これハンパなし。


豆灯を外した。灯りは消えたが、スイッチャーには弱い電流が流れ続けている。