落とし穴

コーヒーが好きで一日に何杯も飲む。落とし穴も好きだが一日一穴と決めている。地面が穴だらけになるのは楽しいだろうが最低限のマナーは守りたい。穴は深く堀ればいいというものでもなく浅いのは論外なので、個人差はあるが五メートル前後が適当だと思う。掘る場所を決める前にまず落とす対象を決めねばならない。夜のうちに学校の校門前に穴を掘っておくと翌朝学生がたくさん落ちていて、人梯となり穴から登り出る様に連帯感や結束した美しさを見いだせるだろう。穴堀り冥利に尽きる瞬間だが人を落とすのは危ない!動物もまたしかり。つまり無機物を落とす事が重要であると言える。そんな訳で夜のうちに近所の登鎧原公園の林の手前の広場の隅に直径二メートル深さ五メートルの縦穴を堀り、穴隠しに薄板を渡し上に土と落ち葉を掛けて完成。翌日様子を見に行くと八頭もの野良アイボが穴の底で唸り蠢いていた。