面接

私の渇き、飢えていた。全細胞が面接を欲していた。面接を。そして憎み、呪ってすらいたが面接欲は日を追うごとに募り、ついに面接を受けるに到った。前回の面接からわずか四日にして。己の自制なさに呆れてしまうが抑え切れず面接会場へ向かう。会場は芋虫ビルの14階の一室で行われる。ついでに説明すると芋虫ビルは直立した巨大芋虫を剥製にし、内部をくり抜きテナントを詰めた外観のみ芋虫で内部は普通のビルだ。面接室をノックする。「どうぞ」入室。部屋には面接官四人と面接人が八人、長机を間に向かい合っている。私も面接人席に座る。面接官「あと一人来るはずですが」するとドアがノックされる。「どうぞ」男が一人入ってくる。「これで全員揃いましたね」男「質問がございます」官「承りましょう」男「ペットの入室を許可されたし」官「御意」男がドアを開け、手招きすると普通の雪崩が入室し、部屋は雪だらけになったので面接は延期された。