ひとりの大人、ふたりの子供

成人式を終えて「大人になったなあ」と思う人がいるかどうかは知らないが、『大人』の定義は割とあやふやだ。辞書を見ると[十分に成長した人。考え方、態度が老成しているさま。分別のあるさま。]と出てるが、どうなんだろう。自分の態度、考え方が老成してると思えば大人だろうか?「俺ぁこんなもんじゃねえ!」って思ってる内はまだまだ子供って事か。自分を大人だとはっきり自覚してる人もいるだろうが、俺はよく分からなかった。つい先週まで。先週、俺は大型古本屋のレジに並んでいた。100円の文庫本2冊持って。レジから少し離れた場所にテレビが一台あって、なんかロケ番組を放送している。すると5歳ぐらいの女の子と、やはり5歳ぐらいの男の子がちょこちょこテレビの前にやって来たので、俺は二人の様子をじっと見ていた。二人とも走り回ってはしゃいでいると、テレビの画面が切り替わって人物の顔面アップになった。その瞬間、男の子がテレビ前に猛ダッシュ、テレビに映った二次元のアップ顔面の鼻の穴に、己の三次元からなる指を突っ込んだのです
!自分の行為にげらげら笑い転げる男児。女児もくすくす笑っています。その光景をじっと眺める俺。すると俺の視線に気付いた女児が一言「大人みてるよー!」俺は大人になったんだなあ。