訪問、自慰仙人

高校の修学旅行での自由行動の時、私は班から抜け出しバスへ乗った。バスを降り、地図を片手に目的地を探す。目的地は商店街の裏にある住宅街の一軒家だ。住宅街は入り組んでおり、ずいぶん道に迷いだいぶ時間をロスしてしまった。自由行動が終わるまでには戻らねばならない。だがようやく辿り着いた。そこは古びた平屋だった。ここに、仙人が住んでいる…その家の表札には『自慰』の二文字。
私が門戸を叩くと中から声が。「鍵は開いておる。入りなさい」私は生唾を飲みくだすと、いよいよ敷地に足を踏み入れた。狭い庭を抜け玄関を開くと凄まじき異臭!激烈に酸っぱい腐敗臭とでも形容すべきか。だが私とて臭いごときには怯まず、ずかずかと玄関をあがり勝手にスリッパ(嫌にベタつく)を履き廊下を進み、最奥の部屋につながる襖を開ける。襖を開けたと同時(実際やや喰い気味)に「よくぞおいでなすった」と仙人。その部屋のさらなる爆烈な臭気に私は気を失いそうになったが、耐えた!スリッパを脱ぐと私は無言で部屋へ踏み込んだ。部屋は恐ろしい湿気で天井からは多くの水滴が滴り、畳はカビにより真っ黒に変色してぬるぬるとしていた。仙人「ではさっそく貴殿の手淫様を見せていただこう」私「…御意!」私は衣類をすべて脱ぎ払い全裸になると、右手の小指を左位亀頭、左手の小指を右位亀頭に交差するよう添え、亀頭側面を両小指で狂ったように摩擦した!すると仙人「む!?その<技>は!」私「左様。この〈双龍亀殺(
ソウリュウキサツ)〉はあなたの著書『自慰技秘伝』(絶版)による〈中枢共謀亀殺し〉(両手親指・中指で亀頭を摩擦する技)を発展させた、私の最も得意とする技であります」私はこの技を鍛練し過ぎたため亀頭側面が小指形に凹んでいる。仙人「ふうむ。まずまずの工夫技自慰(クフウギジイ)ではあるが、評価はCマイナスといったところじゃな」摩擦を続けながら私「な、なんだと!?この〈双龍亀殺〉は……は、はおッ!?ピ、ピギギ、ピッ、ピギィーーーーー!!」私は文字通り己の技に溺れ、達してしまった。仙人「ふぉっふぉっふぉっ!絶頂時に声を発してしまうとは邪念の現れ!〈技〉もそうじゃが、おぬしにはまだまだ至らぬ所が多いようじゃな」淫水を掌で拭いながら私「…はい。おっしゃる通りです」仙人「ではこれより我が秘技を御覧いただこう。この〈技〉は今夏発売予定〈文庫版・自慰秘技伝〉加筆部分に載る予定」私「するってえと新〈技〉!!仙人は工夫技自慰を封印したとの噂はやはり噂だった
のか!」「いや、ワシも一時期は工夫技自慰を投げ凡庸自慰(純オナニー)にも耽ったが、やはり工夫技自慰を忘れ得ず、時々おぬしのような熱心な若者の励ましを受けるうち改めて過去の技自慰を見直し、この歳になってさらなる技自慰道の探求に挑んだのじゃ」「な、なんと…」「では始めよう」そう言うと仙人はなんと己の右手中指を深々と尿道へ突き入れ(!)親指と人さし指で陰茎側面を上下摩擦し、薬指で亀頭を刺激したのだ!ぴんと立った小指のなんと優雅なことか!「かっ…片手のみでなんという技巧!」さらに左手では己のアナルを嬲っている。「これぞ〈喜亀淫蛇突圧内殺菊時雨〉!」「キトウインダトツアツナイサツキクシグレ!!」と私が繰り返したところで柱時計がボーンボーンと五時を告げた。「あっ、もう帰んなくしちゃ」仙人は喜亀淫蛇〜の最中でトランス状態にあったため、私は黙して一礼し退室した。そして玄関を出、門を閉めると同時(実際やや喰い気味)に、後にした宅から老齢とは思えぬ張りのある「ピギィーーーーーッ!!
」という絶叫。
こうして私は自由行動終了前にグループと合流し、少し余った時間にお土産のカステラを買った。