●十月読書(後)

銀河パトロール隊(1937)
E・E・スミス(訳)小隅黎/創元SF文庫 411ページ
銀河系に跳梁する正体不明の宇宙海賊ボスコーン。超兵器を操り襲撃を繰り返す彼らに立ち向かうは、銀河文明を守るパトロール隊とその精鋭、レンズマンである。新人レンズマン、キムボール・キニスンは決戦に赴くべく、新兵器“Q砲”を搭載した最新鋭艦<ブリタニア>号で出撃する!横鎰する超科学アイデアと銀河系さえ瞬時に越える壮大なスケール。スペース・オペラの金字塔!
■悪魔の星(1958)
ジェイムズ・ブリッシュ(訳)井上一夫/創元推理文庫SF 291ページ
宇宙のはずれの惑星リチアは、蛇とカンガルーの合いの子のような知性動物の住むユートピアだった。調査隊員ルイスサンチェスは、悩んでいた――彼は生物学者であると同時に神の使徒だったからだ。この星は神の星か悪魔の星か? リチアからの土産の壺のなかに秘められたこの星の生命が、地球のシェルター社会を破滅に導くものとは……本格ハードSFの巨匠ブリッシュのヒューゴー賞受賞作。
◆バゴンボの嗅ぎタバコ入れ(1950〜1963,1999)
カート・ヴォネガット(訳)浅倉久志伊藤典夫/ハヤカワ文庫SF 569ページ
世界中を旅する男が、久しぶりに元妻のつつましやかな家庭を訪れた。生活に疲れた元妻に、男は胸躍る冒険の数々や、途上国での豪奢な暮らしなど夢のような土産話を披露する……ユーモアに辛辣さを織り交ぜた表題作ほか、著者自身の戦争体験を反映した「記念品」、音楽を愛するあまり暴走する高校教師の苦悩を描く「女嫌いの少年」など、ヴォネガットならではの、優しくも皮肉な視点で描き出される珠玉の初期短篇を23篇収録。
■模造世界(1964)
◎ダニエル・F・ガロイ(訳)中村融/創元SF文庫 327ページ
電子的な仮想社会を創造し、そこに仮想人物たちを住まわせる、画期的な社会環境シミュレーターが計画された。だが、その完成を目前に開発者が死亡する。仕事を引き継いだ主人公に、開発者の友人が密かに告げた。「あの死は事故ではない」と。しかし彼は直後に姿を消し、奇妙なことに、そんな男など知らないと誰もがいいだした。現実の歯車がくるいはじめる。SFミステリの逸品登場!
アンドロメダ病原体(1969)
マイクル・クライトン(訳)浅倉久志/ハヤカワ文庫SF 428ページ
アリゾナ州ピードモントは、無人衛星の着地後、瞬時に死の町と化した。現地で極秘裡に衛星の回収作業を行なっていた回収班からの連絡も、やがてぷっつりと途絶えた。どうやら地球外病原体――それも恐るべき致死性を持つ病原体が侵入したらしい。ただちに最高の頭脳と最新鋭のコンピュータによる特別プロジェクトが発動されたが……。地球が直面した戦慄の五日間を徹底したドキュメンタリー・タッチで描く衝撃の話題作!
◆町でいちばんの美女(1972,1983)
チャールズ・ブコウスキー(訳)青野聰/新潮文庫 428ページ
酔っぱらうのが私の仕事だった。救いのない日々、私は悲しみの中に溺れながら性愛に耽っていた。倦怠や愚劣さから免れるために。私にとっての生とは、なにものも求めないことなのだ。卑猥で好色で下品な売女どもと酒を飲んでファックする、カリフォルニア1の狂人作家……それが私である。バーで、路地で、競馬場で絡まる淫靡な視線と刹那的な愛。伝説となったカルト作家の名短編集!
■キリンヤガ(1998,1988〜1996)
マイク・レズニック(訳)内田昌之/ハヤカワ文庫SF 479ページ
絶滅に瀕したアフリカの種族、キクユ族のために設立されたユートピア小惑星、キリンヤガ。楽園の純潔を護る使命をひとり背負う祈祷師、コリバは今日も孤独な闘いを強いられる……ヒューゴー賞受賞の表題作ほか、古き良き共同体で暮らすには聡明すぎた少女カマリの悲劇を描くSFマガジン読者賞受賞の名品「空にふれた少女」など、あまたの賞を受賞した粒ぞろいの物語で綴る、著者の最高傑作のほまれ高いオムニバス長篇。
★世にも奇妙な漫☆画太郎(2007〜2009)
漫☆画太郎/集英社ヤングジャンプコミックスBJ 全7巻
【作品より抜粋】「はうあ!!」「オラーッ!!」バチーン!!「ぶべら!!」ばったーん!!ドカッバキッ「ギャーッ!!」死〜ん。ブリブリブーッ「く…くせーッ!!」「オゲーッ」ドカーン「ウギャーッ!!」ちゅど〜ん
画太郎先生この世に生まれて来てくれて本当にありがとうございます