名文紀行28

●ガバイゾーな二崎。シェチュネ〜。シェチュネ〜よホント。もうこれからどんな顔して学校来ていいんだが判んねーだろなーの二崎。シェチュネ〜。
●求めるものは、子供だとスリルスリルスリルスリル。大人だと金金金金。
●じゃああんたが降りなよ、と言って石原慎太郎を後ろから押したのは辺見えみりで、彼女は「何をするか、やめなさい」と抵抗する石原慎太郎の背中をグイグイ押してムリヤリ車から出してしまった。「さ、乗っちゃいなよ愛子ちゃん」と言われて私は乗る。石原慎太郎は「かー、まいったぜ。道理が意味なしとはこのことだよなあ畜生」
●ドッコンドッコン!私たちがギュウギュウ詰めになっている車が何かに乗り上げて激しく揺れる。続けてまたドッコンドッコン!何今の?「中学生」え?轢いちゃったの?「いやいや大丈夫だよ。中学生元気だから」。
キン肉マンの超人が一人いたところで世界がマシになるはずだなんて、さすがの阿呆でも思えないだろう。
――舞城王太郎阿修羅ガール』より