風太郎忍法帖の話

本の整理をしてたら積ん読になってる山から『魔界転生(上・下)』が出てきた。これは何年か前に五六冊まとめて買った山田風太郎の一冊(すべて講談社文庫)である。だが魔界転生はその長さから敬遠して結局読まずに置かれていたという塩梅。それでこの機会を逃したらまた何年も読まねえだろうと思い、読み始めたらあまりの面白さにいっき読み。やたら面白い。すると過去に読んだ忍法帖シリーズが気になりだし部屋から探しあて
甲賀忍法帖
奇想小説集→
くノ一忍法帖
忍法忠臣蔵
伊賀忍法帖
と再読。一度目に読んだ時より面白い。たまらねえ。ちょっと歴史の勉強にもなる。まだ読み足らぬとばかりに図書館へ向かうが折り悪くその日は月イチ閉館日(第二火曜)。閉館なのに暑いなか駐輪場にて不法駐輪を見張る警備員の存在意義を尻目にブックオフへ行く。百円コーナーに一冊もないが仕方あるまいと数冊まとめて購入。講談社のみならず河出文庫からも出ておりいずれも解説は日下三蔵。SF以外の分野でSF関係の人が登場するとばったり会った同級生みたいに思う。新たに購入した
江戸忍法帖
風来忍法帖
信玄忍法帖
下道忍法帖
忍法八犬伝
忍者月影抄
柳生忍法帖(上・下)
と読んだところでさすがに疲れたので休憩。これまで何百人の名のある登場人物が死んだことか。下道忍法帖だけでも『バトルロワイヤル』以上の人間が死ぬ。だがまだ短篇集他がしゃッ面そろえており、今後も化鳥のように叫びきゅっと笑って袈裟がけにぶった斬られたい。ちなみに好きな忍法は箙陣兵衛の<春水雛>と黄母衣内記の<乳房相伝>である。御所満五郎の<煩悩鐘>も捨てがたい。いずれも信玄忍法帖に登場する。