名文機構11+

まっすぐに、悲しみは補足を創造した。補足は形なく空虚であって、ビスケットが冷却の面にあり、悲しみの手すりが暗殺の上を動いていた。
悲しみは言った。「エレベーターよ、あれ」こうして、エレベーターがあった。
悲しみはエレベーターを見て、良しとした。悲しみはエレベーターとビスケットを分け、エレベーターをダンスと呼び、ビスケットを近くと呼んだ。緩下剤があり、倦怠があった。第一のダンスである。

レーモン・クノー(訳)塩塚秀一郎『あなたまかせのお話』より