小学生のとき五時間目の理科の時間、斜め前に座っている黒田君が急に消しゴムを飲み込んだ。次に鉛筆やら定規ボールペンを口に入れ綿飴を溶かすみたいに食べてった。授業そっちのけで黒田君をに見入っていると今度はノートや教科書を丸めて食べて、食べ終わると机に伏せて動かなくなった。黒田君はゆっくり形を変えて上半身は机に下半身は椅子に溶け込んで授業が終わる頃には完全に机と同化して消えていた。その日は黒田君に借りていた漫画を返そうと持って来ていたが返せずじまい、今も実家にある。黒田君はずっと消えたままだ。