顎に鈍痛

窓を開けっ放しにしてたら部屋にパンザが入って来た。パンダとは違う。だいたいパンダと同じだが手足が並のパンダの5〜8倍ある。全体にひょろりとした印象。手足の関節も5〜8箇所ある。軟らかく流動性に富む。あとは凡パンダと同じだ。あと「笹、あるか」「やめろ!」の二つのみ人語を話す。そんなパンザと目が合った。「笹、あるか」私は黙って頷き、クローゼットから一抱え笹を取り出しパンザに手渡す。その笹を七つの関節による滑らかな動きで口元へ運ぶ。正座してゆっくり笹を食うパンザを尻目に私はそろりと奴の背後へ忍び寄り、先割れ木刀でパンザを滅多打ちにした。気絶した奴を燻製窯へ放り、じっくり四時間燻製にした。燻製は毒を中和……顎に鈍痛!窯から延びた腕が、私に鮮やかなアッパーカットを見舞ったのだ!「やめろ!」と叫び、完全に燻製になった一回り痩せて真っ黒のパンザは窯から出ると、再び正座して笹を食べ始めた。