断崖ポーニィ1

ポーニィは断崖を刳り抜いた断崖ハウスに住む現時点では女の子と言える年齢だ。昨日は女の子とは言えない年頃だった。実際の年齢は不明である。言うまでもなく『年齢転換期』にある為で毎日年齢が変わる。今日はおおよそ15才ぐらいに見えるので女の子と言っても差し支えあるまい。そんなポーニィ、起床一番断崖ハウスから身を乗り出し断崖外を一瞥し、断崖鳥の所在を確認すると若さに物いわせぐいと身を乗り出し落下厭わぬ覚悟で断崖鳥の首ねっこをむんずと掴むとみるや即座に鳥の羽毛をむしり内臓を抜き取りどぶんと焼酎樽に漬け込む。焼酎は毒を中和する。再度外へ身を乗り出すと隣断崖に住むジーニィが手を振り挨拶している様子。隣断崖といえど数百メートル離れている為その姿は蟻のごとし。ポーニィも手を振り挨拶を交すと断崖上空から呼び声。「おぉいポーニィ今朝はずいぶん早いじゃないか」死角となっており断崖ハウスからその姿は見えぬが声から察するにヴィルニーだろう。ヴィルニーは肥満体を梯子に掛けポーニィの家へ無断で侵入する。「いつも勝手
に入って来ないでって言ってるでしょ」「ああすまねぇ。だが今日はちょっとした話がるんだ」 続く