メロンのメロン紀行

メロン(人物)が旅立った目的は世界各地のレア・メロンを網羅し、交配させ、新種のメロン(果実)を創造することである。その手始めに向かったのが断崖村の断崖メロンだった。しかしメロン(人物)は道に迷い迷い迷い、地図も風に飛ばされ、方位磁石もどこかへ落とし、携帯GPSはもともと調子が悪かったうえ、電池切れだった。しかも唯一口にできる食料の果実メロンも底をつき、腐りかけのドライ・メロンで飢えを凌いでいた。「このままじゃ死ぬめろ!死にたくないめろ!」と、人物メロンは簡略に自分の想いを述べた。すると地平線の彼方へ延びる一本道のずっと遠くから、一台の真っ赤なスポーツカーがこちらへ向かって来るのを、朦朧とした意識の中で人物メロンは見た。やたらゆっくり近づいて来る車に、人物メロンは手をばたばた振ってヒッチハイクを試みた。車が近づいて来るとともに、どうしたわけか人物メロンは不安になった。直後、その不安は的中する。続く