ポーニイと妹

ポーニイはあてもなく旅を続けていた。そしと会う人すべてに道を訊ねたが、その答えとは逆方向を歩んだ。実に反骨精神旺盛な女の子だ。しかしこの時になってポーニイは己の反骨精神を悔やんだ。数か月前に旅立った故郷、断崖村へ戻ってしまったのだ。「あらあら」と己の思惑を簡潔かつ明瞭に言語化し発すると、再びもと来た道へ返し、歩き始めた。すると唐突に背後から声が掛かった「おねいちゃん!」ポーニイは聞き覚えのある声に振り返ると、そこには妹、ピーニイの姿があった。「あらあら!」と姉。「おねいちゃん!いま断崖村はたいへんな権力争いがつづいているわ!わたしはその渦中からなんとか逃れだしてきたのだけれども、行くあてがあるではなし、そんな折りばったりとおねいちゃんに出会うとはこれ千載一遇!ぜひご一緒したいが如何?」と妹。ポーニイは話の内容があまり理解できなかったが、バカと思われては姉としての立場がないので「なるほどね。いいわ。ついてらっしゃい」と、洗練された都会のいい女然として妹を迎えた。それから二人、てくてく歩き
、一本道へ出ると一台の赤錆びた車がのろのろ走っているので、これ幸いと知識披露欲にとりつかれたポーニイは「この車に付いて歩くわ。つまりカー・ナヴィゲーション・システム・オヴ・ジ…って言っても、あなたには判らないでしょうね?」と横文字羅列知識披露を、都会で洗練されたいい女然とした態度で妹に示すと、妹「さすが姉上!」これに気を良くしたポーニイと感銘を受けたピーニイは並んでのろのろ走る赤錆びた車の後ろを付いて歩くと、数時間後、道の先ずっとずっと先に一人の人間が手を振っている姿を目に留めた。いま思いついたので書くが、ポーニイは巨乳である。