犬マウスの悲哀

犬マウスは、犬であり、鼠であった。よって犬マウス。サイズは大きめの鼠。嗅覚が鋭い。スピードは犬。そんな犬マウス、いつものように軒先のゴミ溜めを漁っていると、なにやら見慣れぬ物体が。訝しみながらも犬マウス、その物体をくわえます。なんだか重たい物です。巣穴に帰った犬マウスは、その物体をしげしげと見つめました。いったいこれは、なんだろう?それは文鎮でした。しかし犬マウスにはさっぱりわからず、わからないまま、やがて、老いて死にました。きっと今でも文鎮は、亡き犬マウスの巣穴で、鈍い輝きを放っているでしょう。