レッカー4

左折をした。左折をしたら心臓が痛くなってきた。今まで脈々と、脈々と・・長きに渡り脈々と波打っていた心臓が痛くなってきた。左に曲がったからか!?と思って右折をした。
うっうわーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!やはり心臓が痛い。心臓は大事だ。大事だからか。大事だから痛いのか。その時思った。
『我、レッカー移動は止めた。これより東京ディズニーランド式、エレクトリカルパレードを行う!!!!!!』ドドドーーンドンドコドンドンドコドン。盛大なテーマが流れ、エレクトリカルパレードがはじまった。しかし始まって五分、しまったーと思った。
「これはレッカー移動だ」チャールズ皇太子は時より左肩をビクッと上に上げ、電柱に向かって言った。「偉いもんで下ネタも言わなくなったか」と続けて言った後に小石を嘗めた。「しかし熱い、なんでこんなに熱いんだ、心臓が痛いのは熱いからなのか、誰か塩をくじ引きで引いてくれ、でなければ湯、冬になった。太ると短く、そして鋭く、ホックホク」大丈夫か。とりあえず内ポケットのグリセリンを飲み干すと外野に向かって、おい外野お前達はそうやっていつも、、、と電柱に向かって言おうと、カーテンを開けようと窓に向かって車を止めた。音楽がうるさい、そして隣人も。 おい、鬱病には鼓膜が痛む位のブルースが効くぜ、というフレーズが浮かんだが、言う相手が居なかった。レッカー!レッカーに言えば良いんだ、しかしレッカーは今止まっている、レッカーはレッカー中がレッカーであって停止、漂っていると言った方が性格だろうか、止まっているときはレッカーではない。しかしせっかく思いついた事だ、今言ってしまおう、とカーテンを開けた。カーテンは開
かなかった。確実に今開けたはずだが開かなかった。もう一度開けてみた。シャー、っと音を立てたがカーテンは開かなかった。どうしてだ、という疑問は湧かなかった。遊具の起源は鉄棒だと言われている。まず最初に鉄棒があった。鉄棒はそもそも鉄ではなかった。ガニメデの永久氷土から長さ40フィートものガラスに似た金属棒が発見されたのだ。これは遊具ではなく、兵器として誕生した、という見方が強まった。とにかくレッカーしよう。考えるのその後だ。しかし人々は徐々に回り始めた。鉄との意識の交流は回転から始まった。こうして遊具としての鉄棒が確立された。もはや血が流れることはないと思われた。しかし流れた。兵器として使われたわけではない。顔から落ち、歯を折ったのだ。こうして鉄棒は兵器として蘇った。蘇った兵器となり再び蘇った。虚ろな脈動に気付いた者はなかった。それでも今だ遊具として遊ぶ者は後を絶たない。遊具としても兵器としても実に優れていた。現在では主にカーテンとして使われている。遠心力がカーテンとしての内包するエネ
ルギーを高めた。落下して実存を証明しよう、と多くの若者が心に誓い命を落とした。やってみよう。まずやろう。それからにしよう。レッカーしよう。とつぶやく間もなかった、と後に語っている。その中の一人こそ世に言うチャールズ皇太子だと、多くの人は後に語っている。

[前半執筆:故 ラーメン光来]
[中盤執筆:wertyu]
[後半:『鉄棒』に加筆]