地下室のモニュメント

この話はいくつかの衝突と関連があるが、私には関係がない。大声で特殊妻に「あいつをここへ運べ!」と命令すると、特殊妻はせかせかと、まるであくせくと形容せよとばかりに行動し、地下室へ降り、地下室のモニュメントを両手で抱え来た。スリッパが震え、全身を震わせ、脇汗が滲んでいる。はあはあと息をきらせ抱えたモニュメントをテーブルに置くとばったり仰向けに倒れ、そこで妻は力尽き、ダイナミックな死を迎えた。靴底に張りついたガムを口元にはこぶと一瞬のためらいを見せたが、再び靴底に戻す妻を回想し、なんとも落涙を誘う心持ちになったが、モニュメントに目を移すと耳鳴りがし、激しく咳き込んだ末、曖昧に勃起した。くっ、こんな時節に、勃起など、と己を戒めるため乳首をギュッと摘むと我が陰茎はさらなるチン悦に震え、硬化の一途を辿るばかり。乳首から手を放すのも惜しまれるが両手を自由にせねばならぬ故、泣く泣く最後の一瞥にと勃起乳首を軽く擦るとともに「はおッ…!」と高々く嬌声をあげてしまう始末。このままではいかんと思い死にたての
特殊妻を軽く蹴飛ばしうつ伏せにさせると、そのむき出しの臀部および肛門が汗に濡れ輝いている様が目にとびこんだ。あまつさえ勃起した我が肉竿は、その先端から一滴の先走り汁をたらありと溢す有様。そんな私を横目にテーブル上のモニュメントは黙として鎮座している。
勃起冷めやらぬ私は、いそいそと、まるであくせくと形容してくれとばかりにモニュメントを抱え、床に降ろした。次に死に妻の臀部を持ち上げ、両脚を曲げさせると、その姿勢に満足した。死体妻は尻を高々と掲げ、まるで去る大晦日のAKEBONOの様だと思い、肉筒はさらなる怒張に痛んだ。さあ次だ。私は再びモニュメントを持ち上げると、モニュメントから螺旋状にのびる複数の突起の一つを、死んだ特殊妻のアヌスに深々と挿入した。するとモニュメントが急速に温まり始め、その表面が淡い桃色となりゆっくりとした律動を開始した。いよいよだ!私はモニュメントからのびる突起の一本を己のケツ穴に元気いっぱいブチ込むと「きゃひいいいいい!」と絶叫し、脳を焦がす激悦によって足に力が入らなくなり、がくりと膝を折ると、ばったりうつ伏せに倒れてしまった。床に崩れる瞬間、真っ先に床と接触したのはそそり勃ったポコチンの先端であり、結果ポコチンに全体重がかかり私は「ぎっ…!」と呻き、さらに体の重圧に敗北したポコチンは、私の体内にずぶずぶ沈んでめり
込みめり込みその全てを体内に収めたところでようやく安堵の射精をした、かに見えた。が、そこで私はあまりの激痛に襲われたのだ!なんとめり込んだチンポは腸壁を貫いてしまい、さらに尿道口が床にぴったりとあたっていたため、射精された精液が行き場をなくして逆流し、再び精管へと引き返し精巣を爆破し(まさに精巣圏突破、である!笑えない)凄まじい勢いで射出された睾丸は、精管を突き破りながら進み、バイパスされた腸を通りアナル出口へとひた進んだ。「い、いけない!」ここで私はことの重大さに気付いた。アナルには現在モニュメントの突起がぶっ刺さっており、このままでは高速で糞便を押しながら腸を下ってくる睾丸と衝突してしまう!だがアナルに刺さった突起は腸内で膨れ、もはや引き抜くにはやぶさかではない(やぶさかの使い方が間違っていようが気にしてなどいられない)!そしてついに衝突の瞬間が迫った。私は恐怖のあまり両脚を折り、尻を突き出し、あたかも去る大晦日のAKEB…おはあぁぁぁ!!睾丸が腸内の糞便
を押し出し、ついにモニュメントの先端と激突したのだ!なんという圧!なんという圧だ!「くそったれぇぇぇ!!」私は絶叫し、さらに絶叫し、絶叫をくりかえしたが私の耳にその声は届かなかった。今や腸から響く凄まじい爆音に全ての音がかき消されていた。すると視界の隅に何か動くものが、視線を移すとそこには死んだはずの妻の姿が!口をぱくぱくさせて何か喋っているが音が聞こえない。妻は私の耳元へ口を近づけ声の限りに怒鳴り叫んだ。
「あなたがモニュメントよ!!あなたが!!」
と言うと妻は私の尻に刺さった突起をモニュメントの根元からナイフで切断した。そうか、私はモニュメントになったのか。ケツに刺さった異物と睾丸の激突により爆音を発するモニュメントに。もはや体は硬直し、姿勢を変えることもままならな…やぶさかではない。フットサル経験者の妻は私をキックのみで転がし、地下室へと続く階段へと転げ落とした。
私は真っ暗な地下室で動くことも思考もなく、いちモニュメントとして腹の中で衝突する二つの物体がエントロピーを無視した永久機関となり発する爆音を聞いている。真っ暗な地下室にただただ爆音だけが鳴っている。この話はいくつかの衝突と関連があるが、私には関係がない。