2010-04-02 名文紀行19 ●五年間を過した町について、一つだけコメントしておこう。 消えちまえ! ●「新しいエロ本くれよ、オナニーって本当に楽しいな」といいながら僕の肩に腕をまわすのだった。僕は思わずその腕を払いのけたくなった。もはや普通のオナニストになった梓は魅力のない二級品だった。 ●公衆便所を自転車で通り抜けようとしたが、段差に車輪がひっかかり、僕は転んで小用の便器に腰掛けてしまう。すると、そこへ弟がやって来て「王様!」という。 ――島田雅彦『僕は模造人間』より