米国猿蟹

お猿のジョージとロブスターのフレッドがいました。ジョージはおもむろにフレッドを殴りつけました。フレッドの殻は割れてしまいました。「な、なにをするんだいジョージ」しかしジョージはそれに答えず、二発三発とフレッドを殴り続け、ついには殺してしまいました。「へへっ、今夜はロブスター鍋だぜ」ジョージはにやりと笑いました。
その様子をキャデラックの陰から眺めていたKURIとUSUと8はジョージに詰め寄りました。馬糞はキャデラックのタイヤの下で息絶えていました。主よ……。「ジョージ、君って奴を見損なったよ」とKURI。ジョージはフレッドの死骸を頬張りながら「裁判でも起こそうってのかい?」するとKURI「いいや、この場で断罪する」「ほほぅ、この俺とやろうってのかい」まず8が一歩前へ進みました。「数字野郎が」ジョージは素早く8との間合いを詰めると、隠し持ったナイフで8の接続部を切り裂きました。%っ!!真っ二つにされた8は0と0になって消滅してしまいました。KURIとUSUはその様にたじろぎました。「面倒だ。ふたりいっぺんにかかってこい」とジョージ。その言葉と8の無残な死に憤怒したふたりは、ジョージに突進しました。しかしジョージはふたりの突進をひょいと避けると、KURIとUSUを混ぜてアナグラムし、『KUSURI』と『U』にしてしまいました。一粒
の薬になってしまいコンクリートに転がっている元KURI&USUをジョージは踏み砕きました。残ったUあまりの恐怖に身動きもできず、ジョージにされるがままでした。Uは上半身だけを土に埋られ、∩部分だけが露出している状態にされました。Uにとってこれは非常に屈辱的なことでした。道行く人はOかQもしくはCかGが埋まっていると思ったところ、掘り返してみると逆さになったUが出てくるのですから!(アルファベットあるある)おお、主よ……!!
すべてが片付いたジョージの前にターキーのデイヴィッドがやって来ました。「一部始終拝見させてもらったよ。見事なものだ。どこかで習ったのか?」「なあに、我流さ」とジョージ。「そうか。ところで、ひとつビジネスの話があるんだが……」「儲かるのかい?」「ああ。簡単な仕事だ。まず前金に5000ドル用意している」「その金はすぐにでも貰えるのか?」「ああ。そこのキャデラックのトランクに……」するとジョージ、突然デイヴの頸をぐっと掴んで持ち上げました。わけもわからずバタバタと暴れるターキーのデイヴ。ジョージ、ギラリと眼を輝かせ「それだけありゃあ十分さ」「…こ、この…い、イエローモンキー…が…!!」「ふふ、クォーターさ」痙攣するデイヴの頸をさらに強く握りました。「それに今日は……クリスマスだしな」ターキーは動かなくなりました。それと時を同じくして、残骸となったロブスターの上に初雪が舞い落ちました。