高級居酒屋

「おい、ここに入ろう」友人に促されるがまま、私たちは一軒の居酒屋に入った。「この店はずいぶん高級そうじゃないか」と私「だいじゅぶ」と友人。店内は落ち着いた雰囲気だが謎のこだわりに満ちていることは素人の私にもわかった。テーブルはなんらかの巨木をぶった斬った一枚板で、恐るべきことにテーブルの四本の足と上板には一切の継ぎ目がなかった。「つ、つまり、こ、このテーブルは巨木を刳り貫いて製作されたというわけか!」「だろう、な」そこへ私たちの席へ店員がおしぼりを持って来る。さらにその後に台車を押しながら店員がもうひとり続く。台車に乗った三段重箱を私たち各々の前に差し出す。「御通しになります」「なっ、なんだってぇ!?こっ、こいつが御通しだってぇ!?」驚きコメントを発しながらおしぼり(良香)で手をぬぐい、重箱の蓋を開けるとそこには伊勢海老、鯛の生け作り、蒸しうに、フカヒレみてぇやつ、フォアグラみてぇやつ、謎の煮物、カキフライ、やわらかチキン、ロールキャベツ等の豪華食材が所狭し隙なく納ま
っていた。「おいおい!こいつぁ、こいつぁだぜ!」「ああ……」と私。未完